2007年3月7日

春を待つ佐渡の”冬・水・田んぼ”

3月3日、4日、田んぼの生きもの調査のため、佐渡へ行ってきました。今年は暖冬のせいか、途中の上越新幹線の車窓からは、湯沢、浦佐当たりの豪雪地帯ですら残雪が少なく、岩肌が丸見えでした。

 佐渡もほとんど雪がなく、わずかに佐渡最高峰の金北山(標高1200m)の頂上付近に残雪を見る程度でした。日本のほとんどの田んぼは、地球温暖化の1要因となるメタンガスを排出しています。それと違って、私たちが広げようとしている、”耕さない冬・水・田んぼ”は、酸素を排出するのです。「うーん、やっぱり頑張らねば、、、、」と、改めて思ったものでした。

 佐渡に渡ると、朗報が待っていました。新潟県が、刈入れを終わった田んぼに水を張る”冬・水・田んぼ”に、1反歩あたり15000円の補助を出す方針を打ち出したというのです。冬・水・田んぼがようやく認知されたわけで、さっそく、佐渡では冬、水を張る田んぼが増える兆しが出ているようです。

 メダカのがっこうが応援している「トキの田んぼを守る会」の田んぼに行ってみると、サギがいました。えさを探して、田んぼにじっとしています。写真は、私たちが近づいたので警戒して首を上げたところを写したのものです。

 サギはコサギ、ダイサギ、ゴイサギなど多くの種類分けられますが、このサギはチュウサギでした。翼を広げると1メートル以上になる大きな鳥です。

 サギはカエルやどじょうなどを食べますが、この時期はあまりえさがなく、冬を越すのは大変です。しかし、冬でも水のある田んぼにはメダカが泳いでおり、どじょうも姿を見せ、それらを狙っていたのでしょうね。

 田んぼの生きもの調査では、田んぼの土を採って、泥を用水路で洗い、残渣の中から動くもの、つまり生きものを見つけ、カウントします。この時期でも、イトミミズやミジンコ、そして数は少ないのですが、ユスリカなど小さな生きものが息づいています。

 佐渡の冬・水・田んぼで、一番多い田んぼでは、10アールあたり1800万匹のイトミミズをカウントしました。これらの生きものが、春になるとさらに増え、田んぼを耕してくれたり、カエルやくものえさになったりと、それぞれの役割を持って、稲作に貢献してくれるのです。いま、その生きものたちは、じっと春の来るのを待っているところです。

 生きもの調査をやった田んぼの土手で、ふきのとうを見つけました。暖冬の影響ですでに開いているふきのとうが多かったのですが、それでも草の陰でつぼみのものもたくさんあり、しばし、時間を忘れてふきのとう摘みに興じました。少しですが、四季旬菜館にも送りましたので、春の香りを味わってみてください。

2007年3月7日

佐渡の田んぼ その2

佐渡の田んぼの土手に自生するふきのとうです。小佐渡の山間にある田んぼには、以前、トキが舞い降りてえさをついばんでいました。その田んぼで、いままたドジョウ、カエルなどの生きものが湧く環境が戻ろうとしています。

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